BACON

東京国立近代美術館へ
フランシス・ベーコン展*を味わった。
『知識は力なり』の哲学者、フランシス・ベーコンではなく、
20世紀の芸術家、フランシス・ベーコン。
展示構成がとても興味深く、ベーコンが捉える身体(肉体、肉魂)に着目したものであった。
目の前に存在する絵の中の身体と、鑑賞者である自分自身の身体がリンクしているような心地になって仕方がなかった。
絵の中の身体からも自分の肉体が見られているような。
作品を目の前にしなければ、感じることもなかったことだと思う。
だから
いま、生ものである自分自身で目撃する価値がとてもあった。
展示してあるベーコンの作品には、ベーコンの意志を尊重した額装が施されていた。
その本人の意志とは、金縁とガラス面の額装にするということ。
絵がガラスで覆われているということは、
鑑賞している私たちが反射する、ということにもなるだろう。
まさに、じーっと見ている自分が絵に映り込むという事態。
それがベーコンにとっては
見る人との間のガラスの隔たりにより、対象をできるだけ切り離している。
それでもなお向こう側を見透かす事が出来るのだから…と
ガラス独特の存在感を効果にしているというような意味合いらしい。
絵の中からも見られている、ような心地になったのは
この”効果”のせいもあるかもしれない…まんまと。

互いに一線をこえさせないような膜がある。
人間関係って結局そういうことなのだろうけれど。
家族であっても恋人であっても友達であっても
それは別々の肉体であり、どれだけ密着してもそこには隔たりがあるんだ。
意識してガラス面も含めての作品、ということも面白かった。
ベーコンから影響を受けたアーティストも多いということ。
ベーコンのエッセンスを捉えたという舞踏家の映像もあり、それも観たうえで
また会場を回遊して作品を味わえた事がすごく良かった。
後からデヴィットリンチも影響を受けていると知ってすこんと腑に落ちた。
帰宅して小一時間昼寝したい予定が
これだらだら綴ったりしていて
だいぶ狂いつつある…なんか肉体的に疲れた?なんちて
絵については、だらだら綴りませんのであしからず
生で目撃していただくのがスリル満点かと。
東京では5/26まで。
6/8からは豊田市美術館で *
国宝 大神社展 *をはじめ…他にも足を運びたいものは多数。
なんとか間に合わせたい!

ひとりで竹橋まで駆け足で。
まわりを見渡せば、年齢層は20、30代が多かった?気もした。
海外から観にいらしてる方も多数。


2013年05月12日