秋、という場所 1

どんな仕事でもいっしょうけんめいやる。

そんなあたりまえのことなのに

そんなあたりまえと思う事が、出来なくなる時があるからおかしい。

 

先月お会いした監督から

「まずこれを職業にできていることに感謝して、

喜んで楽しみながら成長していけるといいですね。」

そんなお言葉を頂戴して、はっとする自分。

 

先月はここ近年恒例*の、杉並区の中学校のキャリア学習の

ゲストスピーカーをつとめさせていただくこともあり、行ってきた。

毎度、学生からの質問はだいたい同じような内容なのだけれど

かならずある「つらいことは何ですか?」という質問。

今回の自分への新たな発見は、その質問に対して

「つらいことは無い」と答えていたこと。

 

つらいことは皆さんがつらいと思う事と同じ。

たとえば飼っていた動物が死んだとか失恋とか友達や親との喧嘩とか。

それは皆とおなじようにつらいのだけれど、わたしの職業はそのつらいと思う事も

すべてお芝居の肥やしになる。人としての深みや味わいにもなっていく。

引き出しがふえたと思える。

どんな経験も肥やしにしてみせる

と、すんなり思える。

自分がなにがなんでもやりたい事、好きな事ならば、なにが起きても立ち向かってゆける。

 

だから、つらいことはあるのだけれど、無いようなもの。

そう、するんと答える自分に自分でおどろいたほど。

 

いつも後日に皆さんからメッセージをいただく。

 

毎回お声をかけていただき、その年の中学二年生と出会うことができ、

ともにひとときを過ごし、ディスカッションする。

この貴重なひとつひとつもわたしにとって

とてつもない肥やしであり、引き出しになる。

そしておおきなおおきな原動力になっている。

有り難うございます。


2014年10月03日