こえてゆく

年末に、富山のお方より、蟹を頂戴いたしました。

誠にありがとうございます。

グリルで軽く炙って、焼きガニにして、いただきました。

真っ赤な甲羅に焼き色がこんがりと芳ばしく、香りも馨しく部屋中に広がりました。

もはやもうこの香りだけでも、ちょいと一杯いけるわっ♪

というような有り難い2017年の締めくくりでした。

味噌まで全て、爪の先まで全て、感謝していただいたらさらに、殻で、ブイヤベースを。

コトコト、もはや出る味がなくなるまでに出汁を抽出、

最後の一滴まで

丸ごと!御馳走様でした。

 

そう、先日の富山ではこの、いただいた蟹の競りも見学することができました。

新湊漁港に、揚がったばかりの裏返しに並んだベニズワイ蟹がずらり!

勢いよく競られた蟹たちが、それぞれのお店に運ばれてゆきます。

そして、私が年末に頂戴した「安吉水産」さんへ、追いかけるように伺いました。

お願いを申し出て、私も見学していた競ったばかりの蟹を、お店で茹でているところを見せていただき、その場で食べさせていただきました。

発泡スチロールのケースの上で、食べ方を教わりながらホフホフ湯気をたてながら立ち食いを敢行。

かぶりつきながら外を向けば、この蟹が居たであろう海と雪景色。

ありがたきしあわせ、命をいただくということを、またもや深く実感したのでした。

 

翌日は富美菊酒造様に伺い、蔵の見学をさせていただきました。

おいそがしい中、快くご案内してくださった女将さま、感謝を申し上げます。

 

私ごときで数日パタパタっといそがしくなると、

顕微鏡で見ているように目の前の一つのことしか考えられなくなってしまうけれど

望遠鏡で見る心もなくしてはいけないとつくづく思う。

食べることから学ぶこと

私がいただくまでに、

たくさんの命が関わっているということ、

では私はその命の恩恵を受けて、何ができているのだろう、

この命の在り方を、使い方を、もっと考えて行かなければと

肥えながらも、ひゅっと身が引き締まる思いなのです。

 


2018年02月17日