秋、という場所 11

これまた突然のお誘いで

チューリヒ美術館展*へ。

すでにチケットも持っていたのでいつ行こうかと思っていたけれど、

この日に味わえて良かった。

行った日のわたしの気分では、

フェルディナント・ホドラーの「遠方からの歌」

ルネ・マグリットの「9月16日」

が印象に残った。

おっ ちょうど、ホドラー展は国立西洋美術館*でやっているし

マグリット展は来年、あるらしいし、チェックだな。

今回、幅6mほどあるという大作出品が話題のモネ、

モネを味わうことは

わたしにとって、年を重ねるたびに、つよく

見終えた後にも

色彩感や筆のタッチや構図が脳裏にこびりつくようになっている気がする。

モネのモチーフとも言える”睡蓮”

今回の「睡蓮の池 夕暮れ」はモネの晩年、視力が衰えてからの作品ということで

ほう。これも睡蓮なんだな、と。

 

予定の合間で美術館へ行ったので、

ほんのひとときでしたが、ぐぐっと集中、

こころにも瞳にも効いたなあ。

美術展へ行くと、さいごに買うポストカードもたのしみのひとつ。

てがみを送るので、いずれ手元にはのこらないことが多いのだけれど

ほんものは味わったから。

きもちとことばを載せて、あなたへ。

 

 

こころにも瞳にも効いた、といえばこちらも。

明治座にて天童よしみさんのお姿、歌声に、げんきをいただいた!

「一声一代」グッと、ぎゅっと、きます。(一世一代でなく、一”声”一代!)

水木れいじさんの歌詞に込められる、

よしみさんの歌への人生、お母様への感謝、お父様への誓い、

この一曲にぎっしりとずっしりと、よしみさんが詰まっている。

三番の歌詞にもある、今は亡きお父様からよしみさんへ

「勝って奢らず 負けても泣かず」

というお言葉、

わたしにとっても有り難いお言葉である。

 

そしてすべての歌詞を聴いていると、

よしみさんにとっての歌の人生は

一”声”一代であり、

ひとそれぞれ、人生に込めることはそれぞれあるけれど

それぞれのどんな想いにも通ずるつよいメッセージだなあと思う。

 

ディスクや画面を通してでも良いのだけれど、

やはり生で、目の前で味わいたい人って、いるなあ。今じぶんが生きている目の前で。

よしみさんもそのひとり。

 

なんと

わたしにとって珠玉の一曲のひとつ、超超たいせつな曲

美空ひばりさんの「愛燦燦」

こちらも歌ってくださった!

あああ もう 泪あふるる 雨の夜

 

存分によしみさんのげんきをいただき、

会場を出たら

雨は上がったところだった。

 


2014年10月24日