「うつろいの標本箱」本予告編

本予告編がとどきました。

10/29(土)渋谷ユーロスペースにて、いよいよ今月末、レイトショー公開です。

劇場でお会いしましょう!

 

 

映画を、映画館で観る、よろこびは、

 

休日の朝、たまには早起きして美味しいパン屋に買いに行く。

美味しい珈琲を淹れて、好きな音楽をBGMに、焼きたてパンをかじりながら

昨日の一日を、今日のこれからを、家族のことを、友人のことを

会いたい人のことを、ゆっくりと想うひと時、に似ている。

 

午後の息抜きに、携帯電話を置いて、小説を持って喫茶店に入る。

芳香放つ薄暗い店内のなかで、そこだけランプが灯るあかるい席はわたしの席。

たまに誰かにすでに座られていて、がっくりくる時もあるけれど、

その人もやっぱり読書をしていて。タイトルがすごく気になったりする。

喧騒から離れた、ちょっとひみつの読書のひと時、と似ている。

 

ディナーはもう一ヶ月も前から予約済み。

いつもよりメイクアップ、ドレスアップして

親友を誘って、ご褒美の宴。たまにはワインも飲んじゃおう。

ここ最近のいいこともやなことも全部今宵が癒してくれる、

そんな気がしてくる、ほど

美味しくて、嬉しくて、悔しくて、居心地がよくて

帰りたくなくて

しかし明日も朝早い…

涙が出る前の鼻の奥がジン、とくる感じ、

そんなひと時、とも似ている。

 

 

貴重な数時間の過ごし方を、この作品を映画館で、と選ぶ、贅沢。

作品の空気と共に、刻々と変化するまわりの観客の空気も感じ取る、贅沢。

映画を映画館で観る、映画館に足を運ぶ、ということ、

つまりは、贅沢、ということでもある。

他には代えがたい、オーダーメイド。

 

「うつろいの標本箱」もその贅沢、の選択の一つに選んでいただけますように。

選ぶことには、縁もある。

縁を手繰り寄せ、ピンと引っ張る。

わたしもそうする。

ぜひ劇場でお会いできますように。

 

十月突入。

豊かに、健やかに、いきましょう。

今月もどうぞよろしくお願いいたします。

 


2016年10月01日