とてもさびしいときに、とことんひとりさびしく浸って

もうこのままこの夜の闇に溶けて自分がなくなってしまえばいいのに

なんてどっぷり浸りたいのに

浸らせてくれない。

大切なひとたちが、私をそうさせてくれない。

かなしみに浸らせてくれない。

こうして私はいつも

溶けずになくならないでいきている。

 

溶けそうな寸前に君からの電話

ありがとう

君のお話を、三時間

聞かせてくれて

ありがとう

 

君のお話を聞いたら

自分のかなしみに浸ってる場合じゃなくなった。

 

郵便受けに、スイカが届いていた。

 

スイカのハガキ!

皮をむいたら(めくったら)ジューシーな果肉にメッセージが。

 

ほら、浸っていられない。この世はこんなにもかなしみで溢れているのに

浸らせてくれない

 

そしたら同じことか、

君だって溶けてなくならないよ、

こうして浸らせないから 私が

浸らせたりしない

いつだって受け止めるから。

だから私も溶けてなんかいられないわけだ。

浸ってる場合じゃない。

 

大切なひとたちが、私をそうさせてくれない。

かなしみに浸らせてくれない。

こうして私はいつも

溶けずになくならないでいきている。

 


2019年06月25日