2022年04月のブログ

春ゆく

家庭にて、祖母から昔譲って貰った包丁を日々何気なしに使っているのですが

なにげ無しに、とは言いながらもこれが一番使いやすく、切れ味が悪くなってきた時にはスティック研ぎ石のようなものでシュシュと簡易的に研いで過ごしていましたが、最近どうも調子がもう一声。

メーカーであろう彫り込まれている漢字二文字、それは江戸研ぎによる手造り包丁専門店のものだったことがわかりました。電話で問い合わせてみたところ、郵送でもメンテナンス可能ですが、こちら埼玉で、ぜひいらっしゃいませんかということで、その親しみやすいお声に誘われるように包丁を丁重に包み込んでリュックに忍ばせ、三郷中央駅まで行ってきました。

職人さんに研いでもらっている間に、私の包丁は一般家庭で使われるものよりも刃渡りが少し長めのものらしく、確かに、実家の包丁はこれよりも3センチほど短い気がする…持ち手の素材によっても馴染み方が変わりますよなどと色々教わりながら新たな包丁も調達し、お店を出てすぐに祖母にも伝え、帰路に着いたとある日でした。

職人さん曰く定期的に研ぎとメンテナンスをして使い続け、刃のサイズがもはやペティナイフ位になるほど一つの包丁を長年使い続けている方もいるとお聞きしました。祖母から譲り受けた包丁も今回のメンテナンスで目には見えないほどの変化があり、ここからまたじっくり使い込んでみようと心に決めたのでした。

 

根三つ葉が売っているのを見つけて買って帰って鍋にしました。切れ味抜群の包丁で切りまくる。

芹も好きだし、身体が今欲しているものは春のあくがある野菜たち。

 

 

好きな気持ちは心の奥底で漣に漣重ねこまかく光っている。

そして何度も失恋するのです。

 

2022年04月15日